「ディープステート（DS）」とは「ただの便利な言葉」にしか過ぎない

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ようこそ、みなさん。

はじめに

今日は「ディープステートとは？」について。

まずは、最近取り上げさせていただくことの多いケイトリン・ジョンストンさんの記事翻訳から。

選挙で選ばれなかった役人が戦争を続けるために大統領の立場を覆す (しかし、ディープステートを信じるのは変人たちだけ)

Unelected Officials Override The President To Continue Wars (But Only Kooks Believe In The Deep State)

2020年11月14日
ケイトリン・ジョンストン

外務省のジェームズ・ジェフリー（James Jeffrey）駐シリア特使は最近のディフェンス・ワンのインタビューで、米当局者はトランプ政権に軍事撤退があったと思わせるために、この地域の部隊数について「シェル・ゲーム（訳注：「インチキ賭博」の意）をしている」と述べた。以下、いくつかの抜粋です。

「我々は常に、我々がそこにどれだけの軍隊を持っていたかを指導者に明確にしないようにシェルゲームをしていた。」ジェフリー氏はインタビューでこう語った。シリア北東部の実際の兵力数は、トランプ氏が2019年にそこを去ることに合意した200人の軍隊よりも「はるかに多い」。

「シリア撤退とは？シリア撤退という事態は存在していない。」とジェフリー氏は述べた。「ISISを倒した後、シリア北東部の状況がかなり安定していたとき、[トランプ]は撤退に傾いていた。それぞれのケースで、私たちは、なぜ留まる必要があるのか、5つのより良い論拠を考え出すことにした。そして2回とも成功した。それが物語だ。」

「公式には、トランプは昨年、ISISとの戦いで米国のクルド人同盟国が保有する油田を『確保』するためにシリア北東部に駐留する約200人の米軍を維持することに合意した。現在、実際の数はそれよりも多いと一般に認められています - 匿名の当局者は今日その数を約900としています - 正確な数字は機密扱いであり、いわゆる『永遠の戦争』を終わらせることに熱心なトランプ政権のメンバーにも不明のままだ。」

一部のマスメディア宣伝家は、米国の戦争機構が、シリアの違法な占領からの大統領の撤退の試みを阻止するために欺瞞を使用したことを滑稽に感じている。

US officials have been lying to Trump - and the American people - about the true number of US troops in Syria in order to deter him from withdrawing them, according to the outgoing Syria envoy. Trump thinks it’s 200 😂😂. By @KatieBoWill https://t.co/P6W9s3Qwvs
— Liz Sly (@LizSly) 2020年11月13日

※ 退任するシリア特使によると、米国当局者は、トランプ氏の撤退を抑止するために、シリアにいる米軍の本当の数について嘘をついてきたという。トランプ氏は200人だと思っている。

過去3つの大統領政権の外交政策インサイダーであるジェフリー氏が、シリアで何が起きているかについて国民を欺いていることを認めたのは、これが初めてではないだろう。今年の初め、彼はハドソン研究所のビデオイベントで、米軍がテロと戦うためにシリアに駐留しているという公式のナレーションに反して、実際には「ロシア人のための泥沼」を作るために駐留していることを認めた。このようなベルトウェイ（訳注：ワシントンDCと周辺を囲む環状道路の名前。転じて米国の政府中心部を表す）のインサイダーは、シンクタンクの仲間と一緒にいると、いつもとても正直になるものだ。

また、これまでにないほど強力な軍隊の総司令官に選ばれた人物から、米軍が事実を隠しているという報告を聞いたのは、これが初めてではないだろう。昨年のニューヨーク・タイムズ紙は、ロシア政府に対するサイバー侵入作戦について、米軍がトランプ氏に意図的に秘密にしていたことを匿名の米当局者が報告したことを引用している。

「2人の行政当局者は、トランプ氏がロシアの送電網内に『インプラント』（監視または攻撃に使用できるソフトウェアコード）を配置する手順について詳細に説明されていないと信じていると述べた」とNYTは報告している。「国防総省と諜報当局は、トランプ氏の反応を懸念してロシアに対する作戦について詳細に説明することへの幅広い躊躇と、彼がそれを打ち消すか、外国当局と話し合う可能性について述べた。」

America's special envoy to Syria publicly admits that the continued illegal US military occupation of parts of the country isn't about fighting ISIS or other terrorists, as Washington claims. Instead the US aims to "make it a quagmire for the Russians." https://t.co/rqL28aM1Ps
— Bryan MacDonald (@27khv) 2020年5月13日

※ シリアへのアメリカの特別使節は、ワシントンが主張するように、国の一部の継続的な違法な米軍の占領は、ISISまたは他のテロリストと戦うことではないことを公に認めています。代わりに、米国は「それをロシア人の泥沼にする」ことを目指しています。

アメリカの主流のリベラルな言説は、選挙で選ばれた政府の同意なしに、選ばれていない権力機構が物事を動かしているという考え方に関し「オーウェル的な二重思考」いう驚くべき偉業を成し遂げました。一方では、トランプ氏が当選して以来、アメリカに「ディープステート」が存在することをあえて示唆する者は陰謀論者だとするデイリービーストの記事がノンストップで続々と掲載されているが、一方では、トランプ氏が在任中にアメリカの貴重な規範を破壊しないように政権内部から保証しているインサイダーの「部屋の中の大人たち」への称賛の声も絶えない。

「イラク戦争の設計者」であるビル・クリストール（Bill Kristol）氏が「トランプ国家よりもディープステートを好む」とツイートしたことや、「トランプ政権の高官」（今では国土安全保障省のマイルズ・テイラー（Miles Taylor）元参謀長であったことが知られている）が書いた有名な匿名のニューヨーク・タイムズの論説で、政権関係者が「彼のアジェンダの一部と彼の最悪の傾向を阻止する」ためにトランプ氏に対して協力していると述べたことで、この認知的な二段階はさらに強化されたのだ。

アメリカのディープステートの理解は、アメリカの偽党派分裂の向こう側にあることで、さらに難解化している。トランプの支持者は現在、本質的に「ドナルドトランプが好きではない人」を意味するためにその用語を使用しています。その誤った理解は現在、「ディープステート」という用語に広く関連しているため、意味のある会話での使用がすべて失われているため、実際の何かを指し示したい場合は、完全に「ディープステート」という単語の使用を回避することをお勧めします。

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実際には、「ディープステート」という用語は、トランプ氏に反対する人や、赤ん坊を食べる悪魔崇拝者の秘密結社を指すのではなく、単に政府機関や独裁者の間で、お互いに緩い同盟関係を形成し、共通の課題に向かって協力する傾向を指すものである。それは政治分析に使われる用語で、大規模な権力のアジェンダを説明するために使用されています。それは、大体の場合は、オープンな場所で活動していますが、それはわかりやすく隠されています。

実際に選挙で選ばれた大統領がフォックスニュースやツイッターのトークヘッドに怒鳴り散らしている間に、トランプ政権を運営しているのはほとんどが工作員の集団であることを理解するのは、調査報道やウィキリークスの資料を大量に取り上げるまでもありません。また、実体のないナラティブな話の綿密さを払拭し、米国の政策は、どの選挙で選ばれた役人が就任していたかに関係なく、多かれ少なかれ崩れていないことを見るのは難しくないし、トランプ氏がホワイトハウスの次の空っぽの殻に取って代わられた後もそうであると予測するのは、ノストラダムスでなくてもできる。

アメリカ政府は、アメリカ人が学校で教わったようなものではないし、ニュースで教えてくれるようなものでもない。アメリカ政府は、帝国主義的拡大主義と寡頭制の利益のために運営されている、ほとんど選挙で選ばれたことのない権力体制であり、公式に選ばれた政府は、子供の弟に遊ぶ機会を求めて泣き言を言わないように、プラグを抜いたテレビゲームのコントローラーを渡しているようなものなのだ。

誰が本当に選挙に勝ったのかという大騒ぎは、要点がずれています。1月20日にどの寡頭政治の操り人形が宣誓すべきかで人々は口論しています。私たちが与えられたすべての証拠は、現実の権力に迷惑をかけては誰も大統領になれず、現実の権力に迷惑をかけても無視されることを示しています。

それが私たちが見るべき方向です。誰が大統領かではなく、なぜ誰が大統領になっても物事は変わらないのか。

（翻訳ここまで）

caitlinjohnstone.com より

基本的に、私が「アメリカ大統領選挙の勝者がどちらになろうと、（本質的には）あまり違いはない」と考える理由はこれです。

※ まぁ、実質的には「トランプ or カマラ」なんでしょうが。

また、過去に「種苗法改正案」に関するある動画で、私はコメント欄にてDr.苫米地（胡散臭いけど、頭脳は超一流）による「官邸とは？」の解説を書き出したものを貼らせていただきましたので、それも改めてご紹介したいと思います。

官邸＝内閣総理大臣及び内閣官房長官スタッフによる内閣運営の核となるチーム
 現在約3000人（民間からの出向組1500人：役所からの出向組1500人） 第二次安倍内閣で官邸は2000人から3000人に肥大した。

官邸＝影の政府（シャドー・カバメント） 民主主義において民主的に選ばれていないので「あってはならない」存在である  。

官僚は選挙で選ばれてはいない。
 官僚政権はシャドー・ガバメントである。

自民党憲法改正案では公務員法自体を改正しようとしている（改正？改悪ですよね） 。
 
憲法上の本来の「公務員」は「選挙で選ばれた人たち」を指す（国会議員や都議会議員など）。　※1
自民党の改正案では「選挙で選ばれていない人たち（いわゆる国家公務員など）も公務員とすると書いてある。　※2

このような改正案は国会で作ったとは思えず、「官邸」主導で作成されたのではないか？

 「国家公務員」や「みなし公務員」などの「選挙で選ばれていない人たち」が「表の政府」になろうとしているのではないか？ 

例えば「財務省」ではなく、「金融財政委員会」や「経済産業委員会」などの「国会の委員会」が「実際の公務員（選挙で選ばれた人たち）」であって、官僚は例え「次官」であろうとも「選挙で選ばれた人たちの部下」である。

  田中角栄時代から「国会議員が本来の仕事（立法能力や国勢調査能力など）を行うためにはスタッフが20〜30人が必要なのだが、お金が足りないので国会議員一人当たりに助成金をつけよう」という動きがあったの だが、法律が出来上がると「国会議員一人当たりに着く国費（3000万円）」が「国家議員本人」ではなく「党」に入るようになっていた。

  
「党」から「議員」に支払われるのは実際には「助成金のうち半分から1/3」であり、議員には立法能力や国勢調査能力を与えない仕組みになっている。

その為に「国会議員」は「単なる投票する数」にされている。

  では、「立法能力」や「国勢調査能力」などはどこに集められたのか？

「与党」（実質的に国政を担当するのは与党であるので）から「官邸」に、そのお金は持って行かれている。

  官邸3000人のうち1500人は元々国家公務員であるので「給料は税金」から、残り1500人の民間からの出向組に対しての利益は「党に集められたお金」「官房機密費」「特定大企業への利益誘導」で支払われている 。

よって「官邸は国民を代表する存在ではない」のであり、これを「シャドー・ガバメント」という 。

そして「このシャドー・ガバメントの手口こそがネオコン方式」である  。

大企業とは「銀行」と仲の良い人たちであり、「銀行」と言えば今は「ウォール・ストリート」を意味する （国内の大手銀行もウォール・ストリートの子会社化されている）
 銀行の言いなりの大企業が人を半分出し、残りは「出世の為に言いなりの官僚」によって構成されているのが「官邸」である （オバマ時代に形成されたシステムだがトランプ政権になったことで仕組みは変わると思われる）  。