先日、ある方との対話の中で「とても素敵な言葉」を教えていただきました。
禅の言葉(禅語)だそうです。
多くの人に知っていただきたいので、みなさまにもご紹介させてください。
逢花打花逢月打月
「花に逢えば花を打(た)し、月に逢えば月を打(た)す」
または
「花に逢えば花に打(だ)し、月に逢えば月に打(だ)す」
と読むそうです。
ここでの「打(た・だ)す」とは「二つのものがピタリを合わさる」というような意味で、一般的な「打つ」という意味ではありません。
花を見たなら花にピッタリと合わさる。
月を見たならば月にピッタリと合わさる。
瞬間、出会った「そのもの」に心を重ね、それと一体になる。
そんな意味でしょうか?
「その一瞬に、しっかりと向き合う」
そのままを受け止め、あるがまま。
あれがどうの、これがどうの。
そんな「比較」などせず、目の前にある「世界」を感じ取る。
そうしていくうちに、やがて...
「自分」すらも「世界」に溶け出していくような...
そんな感じもいたします。
そして「一瞬」には「過去も現在も未来も、その全てが内包されている」とすれば?
きっと「一瞬の中に永遠を見る」ようなこともあるでしょう。
「自分」だと思っていたものは
実は「世界」の一部で
「一瞬」だと思っていたものは
実は「永遠」と同じもので...
「一瞬」ですら感じ取るのは難しく、まして「永遠」などは...
とも思ってしまいそうでもありますが。
「なぁーんにも考えていない時」ってのは、案外「"そのもの"の只中に在る」時なのかもしれませんね。
※ 「三昧(ざんまい)」ってやつです。
「無我夢中」って言葉も、よくよく真剣に読んでみると「その通り!」というものですね。
大事な人には「逢花打花逢君打君」です。
※ 「大事」というのは「関連性の近さ」とも言えますけれど。
余談.
このこと(逢花)をあれこれ調べているうちに「桝本うめ子」さんという方を知りました。
山形県西置賜郡小国町にある「基督教独立学園」という高校で、なんと「59歳から100歳まで」書道教師をされておられた方であり、クリスチャンの方でもあるのだそうです。
彼女の経歴が載っているサイトから引用させていただきます。
- 桝本うめ子(1892〜1992)百歳のキリスト教高校教師(書を教える)。内村鑑三に出会って育てられた信仰により、「明治、大正、昭和」の激動期を、恵まれた環境から貧しく清廉な教育の生活へと生きた女性。ロマ8:28を愛唱。
- 横浜の貿易商・清水洋行の長女として誕生。母、祖母ともに指路教会会員。うめ子指路教会で幼児洗礼。富裕な家庭で幼少期を過ごす。フェリス女学校入学、第13期生。
- 1910年、桝本重一(海軍機関大尉、水雷の研究家)と結婚。長男誠一(明治学院卒、兵役、三菱造船、稲美芳子と結婚)、次男忠男(慶応義塾大法卒、兵役、三菱石油、芦谷華子《恵泉》と結婚、つくばで戦後開拓農民、後山形の独立学園)、長女道子夭折、次女孝子(《自由学園》鈴木茂と結婚)。
うめ子、神田古書店で内村の『所感十年』に出会う。
夫・重一(41歳)、三菱長崎造船所勤務中、広島の鉄道事故で急死、内村鑑三らが葬儀司式。
うめ子、内村に「入門」。モアブ婦人会会員(南原、塚本、斉藤夫人など)となる。- 1931年、一家杉並区に移転、隣家の斉藤宗次郎(宮沢賢治に「雨ニモマケズ」の詩のモデルとなったと言われる人。賢治と花巻で明治から大正の終わり迄交わりがあった)に出会う。次男・忠雄、斉藤を尊敬する。
- 1934年、内村の弟子・鈴木弼美(すけよし・東大理学部卒)、渡部弥一郎とともに内村の小国伝道の訴えの実現のため、山形県津川村叶水に「基督教独立学校」を設立。生徒2名。
- 戦時中、うめ子は弟・清水秀雄在住の京都府船井郡八木に長男誠一の妻芳子と移る。
- 1944年、特別高等警察、鈴木弼美、渡部弥一郎を治安維持法違反で逮捕。 弥一郎子息・渡部良三、兵役中、中国前線にて聖書の「殺すなかれ」に従い、捕虜刺殺を拒否、抗命罪に問われ残酷なリンチにあう。歌集『小さな抵抗』シャロ−ム図書 1999。
- 1946年、次男忠雄・華子つくば山麓開拓地に入植。うめ子は忠雄の開拓地に移る。
- 1948年、鈴木弼美、山形叶水に「基督教独立学園高等学校」創立。「読むべきものは聖書、学ぶべきものは天然、為すべき事は労働」をモットーとした(内村の言葉)。(弼美は1988年、88歳まで校長、自ら教鞭をとり、日曜聖書講義を継続。弼美、1990年90歳にて死去)
- 1950年、豪雨により開拓地冠水。翌年1951(昭和26)年、桝本一家、つくば山麓より山形叶水の「基督教独立学園高等学校」(当時、日本一小さな高校:全校生徒数75名)に移る。うめ子59歳。華子28歳(桝本華子先生の詩と曲はこちらへ)
- 1955年。朝日新聞全国版で、独立学園紹介。1960年、新校舎落成間際、旧校舎炎上。桝本一家(孫3人を含む)望寮舎監室に移る。うめ子、生徒に書を教える。
- 1972年、うめ子80歳感謝祝賀会。鈴木弼美校長、吉川英治文化賞受賞。
- 1980年、次男忠雄死去。NHK「土と祈りの青春」と題し学園を放映。
- 1984年、日本TV「雪の中の家族」と題し92歳のうめ子を放映。
- 1987年、日本TV「一日一生 95歳の人間教育」でうめ子を放映。
- 1992年、山形市で「桝本うめ子・心の書展」開催、うめ子100歳、独立学園高等学校で書を教え続け、4月死去。
- 1993年、日本TV「うめ子先生」文化芸術賞、英訳版ゴールデンゲートアワード賞受賞。佐々木征夫著『うめ子先生100歳。高校教師』刊行。
- 1997年、日本TV「知っているつもり」で桝本うめ子を放映。
内村鑑三の信仰心に育てられ、斉藤宗次郎(宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の詩のモデルとなったと言われる人)にも出会い、素晴らしい書を遺された方と、人に教えてもらった禅語を通し、今私が出会う。
これもまた何かの「縁」なのでしょう。
そして、そんな私の書いた文章に、みなさまが出逢われる。
とても大きな「何か」の輪の中にいるような気もいたします。
すべては「繋がっている」のでしょう。
※ 当たり前なんですけどね。
百歳になると肉体は急激に老いていったが、筆は自由に走り出し止まらなくなった。
筆が通ったあとは、もはや作品ではなく神様への手紙となった。
もうすぐおわかれのときよ
あら、かねの音がきこえるわ。
みんな みんな みんな みんな
よし よし よし よし
ばば百さい
(うめ子最後の詩)
みんな みんな みんな みんな
よし よし よし よし
すべて よし
また。
内村 鑑三(うちむら かんぞう、万延2年2月13日(1861年3月23日)[1]- 昭和5年(1930年)3月28日[2])は、日本のキリスト教思想家・文学者・伝道者・聖書学者。福音主義信仰と時事社会批判に基づく日本独自のいわゆる無教会主義を唱えた。「代表的日本人」の著者でもある。
ja.wikipedia.org より抜粋
斎藤 宗次郎(さいとう そうじろう、1877年〈明治10年〉2月20日 - 1968年〈昭和43年〉1月2日)は、岩手県東和賀郡笹間村(現・花巻市)出身のキリスト教徒。
無教会主義キリスト教徒である内村鑑三の最も忠実な弟子の一人で、その死に至るまで身の回りの世話をした。また、『雨ニモマケズ』のモデルとも言われている。
ja.wikipedia.org より抜粋
宮沢 賢治(みやざわ けんじ、正字: 宮澤 賢治、1896年(明治29年)8月27日 - 1933年(昭和8年)9月21日)は、日本の詩人、童話作家。
仏教(法華経)信仰と農民生活に根ざした創作を行った。作品中に登場する架空の理想郷に、郷里の岩手県をモチーフとしてイーハトーブ(Ihatov、イーハトヴあるいはイーハトーヴォ (Ihatovo) 等とも)と名付けたことで知られる。彼の作品は生前ほとんど一般には知られず無名に近く、没後、草野心平らの尽力により作品群が広く知られ、世評が急速に高まり国民的作家となっていった。そうした経緯もあって日本には広く愛好者が存在する。
余談の余談.
そういえば『新世紀エヴァンゲリオン』に「瞬間、心、重ねて」ってタイトルの放送回があったなぁ、ということも思い出しました。
「エヴァンゲリオン」ってのは「福音」って意味ですね。
福音 (英語でGospel)、あるいはエウアンゲリオンEvangelionあるいはユーアンゲリオンは、ギリシャ語 εὐαγγέλιον, euangelion に由来する言葉で「良い(euエウ- 、"good")知らせ(-angelion アンゲリオン、"message".)」、good news となる。つまり、マラトンの戦いの勝利の伝令のような戦争の勝利や出産など、喜ばしいことを伝える手紙などを指した。イエス・キリストの十字架刑と復活(紀元後30年頃)の後、イエスの弟子(使徒)たちは「神の国(支配)が到来した」というイエスのメッセージを世界に広げるために布教を始めたが、これを弟子たちは「良い知らせ」と呼んだのである[2]。四福音書中最初に書かれたマルコ福音書はその冒頭を「イエス・キリストの良い知らせの初め」で書き出している。
ja.wikipedia.org より抜粋
禅語をご紹介するつもりが、最後はエヴァの話題に。
私らしいっちゃ私らしいですが、相変わらず訳のわからない締め方になり。
※ まぁ、これも「すべてが繋がっている」一例ということで。
しかし、相変わらずヒッキーの歌詞は素晴らしいですね。
One Last Kiss
初めてのルーブルは
なんてことは無かったわ
私だけのモナリザ
もうとっくに出会ってたから
初めてあなたを見た
あの日動き出した歯車
止められない喪失の予感
いっぱいあるけれど
もう一つ増やしましょう
Can you give me one last kiss?
忘れたくないこと, oh…忘れたくないこと, oh…
I love you more than you’ll ever know...
クリスマスの時期に「三島由紀夫と天人五衰と宇多田ヒカル」みたいなタイトルで書いていた記事があるのですが、それはまたそのうち書き上げます(笑)
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