ようこそ、みなさん。
「究極の革命に関する講演」を私なりの紐解きの続きを。
※ 長くなるので前編・後編に分割します。
前回の記事はコチラより
前回は「テロの技術」的なお話まででした。
「わかりやすい」「目に見える」世界のお話ですね。
ある意味では「わざと見せている」世界の話です。
これからは「見えにくい」世界のお話です。
それでは早速。
このテーマについては、過去に知られていたよりもはるかに多くのことを現代の人間は知っていると思われます。もちろん、人々は暗示については常に知っていましたし、「催眠」という言葉は知らなかったものの、確かに様々な方法で暗示を実践していました。しかし、私たちは、昔に比べて、その対象についての知識が格段に豊富になっていると思いますし、昔は絶対に活用できなかったような方法で、その知識を活用することができるようになっていると思われます。例えば、今、確実に分かっていることの一つは、もちろん、暗示性に関しては、個人間には非常に大きな差があるということです。しかし、今では、暗示性に関する母集団の統計的構造のようなものがはっきりとわかっております。さまざまな分野の調査結果を見ると非常に興味深いものがございます。つまり、催眠術の分野、つまりプラセボを投与する分野であります。例えば、眠気や軽い睡眠の状態での一般的な暗示の分野では、同じような桁の違いが絶えず現れていることがわかるのです。
例えば経験を積んだ催眠術の専門家なら、究極の簡単さ(指をパチリとスナップするだけ)ですぐに催眠にかけられる人の数、その割合は、約20%程度だと言うでしょう。そしてその逆に、だいたい同様の割合の人々は、催眠にかけるのが非常に、非常に困難であるか、ほぼ不可能であると。しかしながら、その中間には、ほどほどに催眠にかかる大量の人々が存在しており、彼らはこちらが懸命にやれば次第に催眠状態に入っていく。また同じように、例えばプラセボの投与に関しても、同様の数字が上がってまいります。
3〜4年前に、ボストンの総合病院で、大手術後の症例を対象にした大規模な実験が行われました。大手術の後、同じような種類の痛みに苦しんでいる数百人の男女を対象に、痛みがひどくなった時に、要求された時にはいつでも注射を打ってもらいました。そして、この実験に参加した人のうち、約20%の人は、モルヒネと同じように蒸留水で痛みが緩和されたそうです。約20%の人は蒸留水からは何の救いも得られず、その間には、多少の救いを得た人や、時々救いを得た人が存在しておりました。
「究極の革命」とはどのようなものだろうか? - 1962年のオルダス・ハクスリーの重要な講演内容を読む - あなたがあなたの救世主
「催眠」についてはコチラの記事がわかりやすかったのですが
Spiegel氏によると、「大人の5人に1人は、全く催眠術にかからない。残りの4人はその中間であり、全体の10~15%の人が催眠術にかかりやすい。12歳までの児童に関してはその率がさらに上がり、80~85%の児童が容易に催眠術にかかる」という。
しかし、「12歳以降は次第にトップダウン回路が完成するため、かかりにくくなるのが一般的である」とのこと。
そもそも、わたしたちが<見て・聞いて・感じて・信じる>という意識は、Spiegel氏のいう「トップダウン」の情報処理に基づいている。
つまり、自分が見ているのは必ずしも眼から(=外から)入った情報ではなく、その多くは過去の経験により蓄積された知識を介在して見ている(=判断している)わけだ。
そんな回路の流れを前提に、前述の①②③を読み直せば、懐疑力が低下し、集中力だけは冴えわたり、主体性に乏しい、催眠状態の人が、トップダウンの指示に従順なのがわかるだろう。カウンセリングや瞑想、偽薬(プラセボ)の効果もこれに似ている。
ちなみに、催眠にかかやすい人の場合、暗示作用で色鮮やかな抽象画から色が抜け落ちたり、灰色系の絵画に色を加えたりする情報操作も可能らしい。
「子供たちは大人よりも催眠状態にかかりやすい」とのことです。
個人的に、今後機会があれば「催眠術のかけ方」は学んでみたい分野であります。
対面でしかかけることができないのか?
複数人に同時にかけることはできるのか?
浅い暗示ならばTVなどのメディアを通して遠隔でもかけることができるのか?
より深い暗示へと誘導するようなキーワードのようなものを与えることはできるのか?
何せ、こればっかりは実践してみないと確かなことは言えませんから。
続けます。
同様に、「すばらしい新世界」でヒプノペディア、睡眠教育と呼んでいたものに関しても、私は少し前に人々が軽い睡眠の間に聴くことができるレコードを製造している人と話していましたが、これは「金持ちになるため」のものです。「性的満足のため」(群衆の笑い声)や「セールスマンとしての自信のため」などと言っていましたが、これらのレコードが返金ベースで売られていることが非常に興味深いことでありまして、15%から20%の人が定期的に「全く効果がない!」と憤慨して書き込んできて、すぐにお金を返してくれると言っていました。一方で、「もっと金持ちになった」「性生活がずっと良くなった」などと熱心に書き込んでくる人も20%以上いるそうです(笑)。そして、これらはもちろん夢のクライアントであり、彼らはこれらのレコードの多くを購入しています。そして、その間には、あまり結果を得られない人たちがいて、彼らに書かれた手紙を持っていなければならないのですが、「頑張って続けて」(笑)という手紙を書かなければなりません(笑)そして、あなたはそこに着くでしょう。実行します。
「究極の革命」とはどのようなものだろうか? - 1962年のオルダス・ハクスリーの重要な講演内容を読む - あなたがあなたの救世主
素晴らしい「騙しのテクニック」です。
何せ「騙された人は騙されたことに気付いていない」わけですから。
逆に感謝さえもされています。
まさに「信じるものは救われる」です。
それに「実際に効果が(本人にとって)あるのならば」良いのですから。
周りからすればどんなに胡散臭い宗教に入信していようとも、その本人が救われているのならばとやかく言うことはできません。
別の方法でその人を救うことができる場合以外は。
「睡眠学習」については賛否両論あるようです。
「できる」とする派と「できない」とする派。
ちなみに、こういう記事もあります。
それにしても、改めて思いのは「なぜ60年以上も前にハクスリーはこのようなことを知っていたのだろうか?」です。
しかも「近年になって、一般人向けのニュースになったようなことを」です。
「最先端の研究成果が一般人向けに降りてくるタイムラグにはそれぐらいかかる」と考えるのは私だけでしょうか?
それも「秘匿されているわけではない」のでしょう。
ちゃんと学会などの最先端の場所では公表されている。
ただ、一般人にとって「何かしらの実益や実害が発生するまで」は誰も気にしないだけなのではないでしょうか?
「情報は力」なのです。
最先端の情報を手にする者は?
私は「研究資金自体を提供している人間」だと思います。
学術分野に関しては、ですが。
「教育や研究の仕組み自体を作っている人たち」は誰でしょうか?
その人たちはよくわかっていると思いますよ。「知性の力」を。
これに基づいて、人類の集団は、暗示性によってかなり明確に分類できると思います。この20%という割合は、これらのケースではすべて同じではないかと、私は強く疑っています。また、誰が非常に暗示性が高く、誰が非常に暗示性が低く、誰が中間の空間を占めているのかを、認識し、識別することは、全く難しくないのではないかと、私は疑っています。はっきり言って、もし全員が極端に暗示的でない人であれば、組織化された社会は不可能であり、もし全員が極端に暗示的であれば、独裁体制は絶対に避けられないでしょう。つまり、大多数の人が中程度の暗示にかけやすい人たちで、それによって独裁を免れているが、組織化された社会が形成されることを許してくれる人たちがいることは、非常に幸運なことなのだ。しかし、20%の暗示にかかりやすい人々がいるという事実を考えると、これは非常に政治的に重要な問題であることは明らかです。例えば、この20%の暗示にかかりやすい人々の多くを手に入れ、彼らを組織化することができるデマゴーグは、どの国のどの政府も転覆させることができる立場にあります。
結局のところ、私が思うに、ヒトラーという形で、効率的な暗示と説得の方法で効率的な方法によって何ができるかによって、私たちは近年最も信じられない例を持っていると思います。例えば、(ブルーチの)『ヒトラーの生涯』を読んだ人は誰でも、この地獄のような天才に、ぞっとするような賞賛の声を上げるでしょう。彼は誰よりも人間の弱点を本当によく理解しており、利用可能なすべてのリソースでそれらを悪用しました。例えば、ストレスや疲労の状態に置かれた状態は、他の時に置かれた状態よりも 彼の大演説はすべて夜に行われたのは、もちろんこのためである。彼が率直に語っているのは、もちろん、『マイン・カンプフ(我が闘争)』では、これは、人々が夜に疲れているので、説得に抵抗する能力が日中よりもはるかに低いという理由だけで行われます。そして、彼が使用していたすべての技術の中で、彼は直感的に、そして試行錯誤によって、多くの弱点を発見していました。そしてそれは今や私が彼よりもずっと明確に考える一種の科学的な方法で知っております。
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【日本語字幕】ヒトラー 演説 "世界は我々を裁けない!" - Hitler Speech "The world cannot judge us!"
【日本語字幕】ヒトラー演説 "マルクス主義の破滅" - Hitler Speech at the Siemens factory
「ヒトラーの演説テクニック」については長くなるので、ここでは簡単に。
何せ「ヒトラーとオカルトの関係」は非常に興味深いものがあります。
ここでは「ヒトラーの演説を指導した人物」の紹介だけを。
エリック・ヤン・ハヌッセン(Erik Jan Hanussen, 1889年6月2日 - 1933年3月25日)はヴァイマル共和政期のドイツで活動した、預言者を騙る手品師・占星術師。本名はヘルマン・シュタインシュナイダー(Hermann Steinschneider)で、チェコ系ユダヤ人だったと伝えられる。
預言者
戦後、超能力を舞台に掛けるようになり、本人は千里眼があると主張していたが、実際には奇術であった。この頃、チェコスロバキアの国籍を取得している。 当初はただの一端の手品師だったが徐々に人気を集め突撃隊幹部と交流を持ち、社交界にも人脈を広げる。ハヌッセンはナチ党を支持しており、ユダヤ人であることは公然の秘密となっていた。
1930年代にはハヌッセンの舞台は大盛況で、非常に人気があった。アドルフ・ヒトラーとは1932年11月ドイツ国会選挙以前から交流を持ち、軍人上がりのヒトラーの演説に対し、ボディ・ランゲージを指導すると同時にヒトラーお抱えの預言者としても活躍する[2]。また、ヨーゼフ・ゲッベルス、ヴォルフ=ハインリヒ・フォン・ヘルドルフ、カール・エルンスト、フリードリヒ・ヴィルヘルム・オーストなどのナチ党幹部との間にも太いパイプを構築していった。
1931年にブレスラウの印刷会社を購入し、オカルト雑誌『ハヌッセン・マガジン』『ブンテ・ボッヘンシャウ』を刊行する[3]。ハヌッセンは雑誌の印税や舞台で得た収入で屋敷を購入・改築し、この屋敷は人々から「オカルト宮殿」と呼ばれるようになった。「オカルト宮殿」の一室では交霊会が行われ、大きな円卓の周りに座り下から照らされるガラスに掌を置いた招待客にハヌッセンが預言を伝え、人気を集めた。ドイツ国会議事堂放火事件を予言し、更に注目を集めるようになり、上流階級からの招待を受ける際は常に従者を伴うようになった。国会議事堂放火事件に関しては、放火犯とされたマリヌス・ファン・デア・ルッベに催眠術を掛け犯行を行わせたという奇説が存在する[4]。
1943年、アメリカの戦略諜報局に所属する精神分析医ウォルター・ランガーはヒトラーの精神プロファイリングを行った。ファイルにはハヌッセンに関する記述も含まれており、「1920年代の早い時期に占星術師の"ハミッセン"[5]という人物から演説や心理学の手ほどきを受けた[6]。彼はヒトラーに集会演説の重要性を始め様々な指導を行った[7]」と記している。
暗殺
ナチ党政権が樹立された際には「オカルト省」なるものを設立し、その大臣に就任して国家を動かすつもりだったと言われている。しかし、ナチ党の権力掌握後の1933年3月25日に突撃隊によって妻と共にベルリンで暗殺され、遺体は郊外のシュターンスドルフに捨てられた[8][9]。暗殺の理由は、ヒトラーがハヌッセンに危機感を抱くようになったという説が一般的だが、ゲッベルスとヘルマン・ゲーリングの権力争いに巻き込まれたという説もある。遺体は一か月以上経って発見され、シュターンスドルフに埋葬されている[10]。
では次へ。
しかし、実際には、この暗示のかけやすさの差、催眠の感受性の差は、民主主義政府についてのあらゆる考えとの関連で、非常に慎重に考えなければならないことに変わりはありません。ほとんど何でも信じるように暗示される可能性のある人が20%もいるとしたら、彼らを極端な立場に追い込み、政府を転覆させる可能性のある、非常に危険な軍隊、私兵を組織するデマゴーグの台頭を防ぐために、非常に慎重な措置を取らなければなりません。
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あまり日本人には関係のない話ではありますが、アメリカには「ミリシア」と呼ばれる人々がいます。
そんな彼らを暴走させることができたら?
実際に、最近のBLM関連の騒動でミリシア達の動きも活発になったとのニュースもありました。
www.afpbb.comwww.businessinsider.jp
これは、純粋な説得のこの分野では、私たちは以前よりもはるかに多くを知っていると思います。そして明らかに、私たちはかなり幻覚的な方法で、魔導者の声とイメージを乗算するメカニズムを持っています。つまり、 テレビとラジオ。ヒトラーはラジオを大量に利用しており、何百万もの人々に同時に話すことができました。 これだけでも、現代と古代のデマグゴーグの間に巨大な隔たりを作り出します。 古代のデマゴーグは、最大限に叫んで彼の声が届く限り多くの人々にアピールすることができましたが、現代のデマゴーグは文字通り一度に何百万もの人々に触れることができ、そしてもちろん彼のイメージの増大により、彼はこの種の幻覚効果を生み出すことができました これは非常に催眠的で示唆に富むものです。
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そう、ラジオとテレビ。
そして私たちにはさらにインターネット。
SNSについてはコチラのご動画をご覧ください。
「彼ら」はもちろん知っていました。
「自分たちの作ったもの」がどのような影響を社会に与えるのかを。
そして、今や「何億人もの人々に」同時に接続できるのです。
さて、今日はこれぐらいにしておきます。
この後は「薬理学的な」お話になります。
また。
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